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統合失調症について

幻覚や妄想といった精神病症状や意欲・自発性の低下などの機能低下、認知機能低下などを主症状とする精神疾患。主に思春期から青年期にかけて発症し、男女比は概ね1:1とされていますが、男性のほうが重症化しやすいことが指摘されています。世界中の地域で100人に1人ほどが発症すると考えられており、決してまれな疾患ではありません。この病気の原因は明らかではなく、治療は薬物療法だけです。

統合失調症の症状には、例えば自分に命令してくる声が聞こえる(幻聴)や、自分が周囲から危険に遭っている(被害妄想)などの症状が強く現われ、通常の日常生活を送ることが難しくなっている時期(急性期)に、抗精神病薬はそれらの精神病症状を和らげる役割を果します。

お薬の必要性は、急性期精神病症状が軽快して、通常生活がある程度可能になっている時期(維持期)に抗精神病薬の服薬を継続することで、再び症状が出現すること(再発)を防ぐ働きがあるのです。

 統合失調症は非常に再発しやすい病気であり、初発の精神病症状が軽快しても、服薬を中止した場合、1年以内に約80%、2年以内に98%の方が再発するといわれています。再発を繰り返すと、次第に薬物効果が低下し、再発前のレベルにまで症状が改善しなくなり、自立した生活や就労のために必要な様々な能力(社会的機能)が低下する原因となります。

 だから、病気を抱えながらも、精神病症状などの辛い症状がなく生活を送り(寛解)、自立したり、働いたりしながら、生きがいのあるいきいきとした生活を送る(リカバリー)ためには、再発をできるだけ少なくすることが大切。そのためには適量の薬物療法を継続することが大変重要になります。

再発が起こる最大の原因は服薬の中断に関係しています。再発を繰り返すごとに、症状が治りにくくなり、必要な抗精神病薬の量が増える傾向にあるのです。社会的機能が低下して、以前のレベルで自立した生活を送ることや就労することが困難になる傾向があるので、積極的な再発予防が非常に大切です。リカバリーを目指している場合は、今後、自立や就労のための社会的な変化が次々に起こっていくことが予想されます。

 

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